前回の記事に『日本のスイス「大志集落」を眺望できる尻吹峠(大志俯瞰)への行き方と車で行くべきではない理由』に引き続き、福島旅行2日目は磐梯山エリア屈指の景勝地である『五色沼』を散策してきました。3年前の福島旅行でも行きたかった場所なのですがスケジュール的に行けず…。
そして今回再び福島に来たのでようやく訪れることができました。どんな場所なのか写真と共に散策コースなどを紹介していこうと思います。
五色沼とは
福島県北塩原市に大小30余りの小湖沼群があり、それらを総称して「五色沼」と言います。磐梯山の北側にある裏磐梯と呼ばれる地域に所在しており、磐梯朝日国立公園にも指定されています。
名前の由来は、青・赤・緑など様々な色の沼があることから五色沼と呼ばれているらしいです。火山性の水質や藻や植物により様々な色があるみたいです。自然って神秘的ですよねぇ。
1885年に磐梯山が噴火して一部が山体崩壊し、岩屑なだれが川をせき止めたことで五色沼が形成されたらしいのですが…この自然が形成されたのが割と最近だったことが衝撃過ぎてなんか言葉を失いました(汗)
五色沼自然探勝路
五色沼の様々な沼を眺めながら歩くトレッキングコースのことを五色沼自然探勝路と言います。ここでは毘沙門沼・赤沼・みどろ沼・竜沼・弁天沼・るり沼・青沼・柳沼の8つの沼を見ることができます。
距離は片道約4kmで所要時間は大体1時間30分くらいです(撮影しながらワイら夫婦は3時間半かかりましたが笑)。
坂は少しだけありますが、基本的にはなだらかなのでアップダウンは緩やかで歩きやすいです。ただし岩があったり段差がキツい場所など何箇所か歩きにくい場所があったので、スニーカーなどの歩きやすい靴で行った方が無難です。
五色沼自然探勝路までのアクセスや駐車場
出発点 | 住所 | 駐車場 |
裏磐梯ビジターセンター | 福島県耶麻郡北塩原村桧原字剣ヶ峯1093 | 80台(無料) |
裏磐梯物産館 | 福島県耶麻郡北塩原村桧原湯平山1171-1 | 70台(無料) |
五色沼自然探勝路へのアクセスは「裏磐梯ビジターセンター」と「裏磐梯物産館」の2通りあります。どちらも館内を通らなくても五色沼探勝路には行けるので、実質24時間開放されています。
裏磐梯ビジターセンターの開館時間は、夏季シーズンは9時〜17時、冬季シーズンは9時〜16時となっていて火曜が休館でらしいです。
裏磐梯物産館の開館時間は9時〜17時で冬季は閉館しているらしいです。
裏磐梯ビジターセンター:磐越自動車道「猪苗代・磐梯高原IC」より車で約25分。
裏磐梯物産館:磐越自動車道「猪苗代・磐梯高原IC」より車で約30分
裏磐梯ビジターセンター:JR猪苗代駅から磐梯東都バス磐梯高原方面行き約30分「五色沼入口」で下車し徒歩0分
裏磐梯物産館:JR猪苗代駅から磐梯東都バス磐梯高原方面行きで約33分「裏磐梯高原駅」で下車し徒歩1分
裏磐梯ビジターセンターと裏磐梯物産館のどちらもバスが通っているので五色沼自然探勝路を往復せずに帰ってこれますので、活用することをオススメします。
ただしバスの本数が少ないので、バスの到着時間に合わせて行動した方が良いかもしれません。因みに五色沼自然探勝路は電波が無いので、事前にバスの時間を確認する必要があります。
磐梯東都バスの時刻表をこちらに掲載しておくので、よければ参考にしてみてください。
沼と木々が美しい!五色沼の大自然を散策してみる
ついに数年ぶりの念願であった五色沼自然探勝路を散策します。晴天だった為、暑さが心配だったのですが東北地方だし標高も高いし水源地域なので思った以上に涼しくて快適でした。
朝バタバタして出発したので、五色沼カフェにて飲み物、かき氷、チュロスを調達。非常に美味でした。テーブルもあり毘沙門沼を眺めながらのんびりすることができます。
裏磐梯ビジターセンター方面から出発すると、五色沼自然探勝路に入る前にあり、ここを過ぎてしまうと飲み物・トイレなど一切無いので、ここである程度身支度を整えてから出発した方が無難です。
今回僕らが訪れた順番としては、裏磐梯ビジターセンター・毘沙門沼・赤沼・みどろ沼・竜沼・弁天沼・るり沼・青沼・柳沼・裏磐梯物産館の順番で訪れましたのでこの流れに沿って散策コースを紹介していこうと思います。
沼によっては五色沼自然探勝路から距離がある沼もあったりするので、双眼鏡なんかを持っていくと更に楽しめます。是非参考までに〜。
毘沙門沼
裏磐梯ビジターセンターから出発すると最初に見える沼で、五色沼の中で最も大きい沼となります。手漕ぎボートに乗り沼の奥まで進むことができます。
ここで人生初(おそらく)の手漕ぎボートに乗ったのですが、沼の中に浸かった植物達を観察できたり、沼を間近に感じることができたりと、思った以上に楽しめました。
ここに沢山の鯉が泳いでいるのですが、どうやらお腹にハートマークの鯉を見つけると恋が叶うのだとか…鯉だけに。めちゃんこ広い沼ですがもし良ければ探してみてください(小生は一瞬で諦めました)。
五色沼は名前の通り地質や環境により様々な色の沼が楽しめますが、毘沙門沼は青く透き通るような透明度の高い沼でした。
どうやらケイ酸アルミニウムという小さな粒子が多く含まれているのが沼の色や透明度に反映されているみたいです。
毘沙門沼横に敷かれた木道を歩き進めると、山道に入って行きます。ここで毘沙門沼とはお別れになります。一応整えられているのですが、ここから階段だったり岩場だったり足場が多少悪くなりますのでご注意を(奥さんはサンダルで突破してしましたので、その程度の足場の悪さですが)。
沼も美しいのですが、緑豊かな場所でもありますので、そこら辺に生えている植物も結構面白かったりします。せっかくですのでゆっくり観察してみてください。
そういえば五色沼自然探勝路の至るところに「熊出没注意」の看板が立ててありました。この北塩原市一帯は熊出没スポットらしく(この翌日に僕も車の中から見ました…!)熊よけの鈴などは必須になります。お忘れないようご注意ください。
大きな木が倒れている。多分人為的ではなさそうだけど…。こんなありのままの姿でも自然って美しく見えるんだもんんなぁ。福島まで来た甲斐がありました。
とこんな感じで毘沙門沼はお終い。美しい風景をありがとう!個人的には五色沼自然探勝路の中で一番好きな沼でした。さて、次の沼に向かいます。
赤沼
毘沙門沼に別れを告げて、まもなく現れるのは赤沼です。名前の通り、沼の岸辺の部分が赤く染まっていることからこの名前になったそうです。
確かに沼の岸辺が赤くなっていますよね。これは鉄分が影響しているみたいで、赤沼には鉄分が豊富に含まれています。そんな水質が植物を赤く染めてしまうことが原因らしいです。神秘ですね〜。
赤沼という名前なので、水の色が赤色なのか?なんて淡い期待を持っていましたが、さすがにそこまでキテレツな沼ではありませんでした(笑)
しかし、日によってはこの沼も褐色色になるらしく、名前通りの沼になるのだとか…見れた人はラッキーですね。赤沼は小さな沼なのでこれで終わり。足早に次の沼に向かいます。
みどろ沼
赤沼から歩いてすぐのところにみどろ沼があります。赤沼もですが、みどろ沼も沼の近くまで近寄れないので少し離れた距離から離れて眺めるような感じです。
水質は赤沼に似ているのか沼の縁が赤色に変色していました。ただ水は赤沼よりも少し濁っているイメージ(光の加減かもしれないですが)。
また面白いことにみどろ沼は五色沼の中で最も不思議な沼と言われており、色の変化が最も顕著な沼と言われております。要はいろんな色に変化するということですね。
みどろ沼は漢字で書くと深泥沼という字になります。この深泥というのは漢字の通り、泥が深いことを意味しています。
みどろ沼の上流にある竜沼(pH6.2)と下流の赤沼(pH3.8)ではpH濃度もだいぶ違うので、もちろん水質も変化してきます。その間にあるみどろ沼はこのpHの変化点にある訳です。
色んな水や土、植物がこのみどろ沼に流れてきては、水質が変化し、赤沼へと流れていく。その時の水質の違いによって沼の色の変化が顕著なのでしょうね。
沼の大きさも小さいですし、他の沼と比べると一見地味にも見える沼ですが、どんな色になっているか、次訪れる時に一番楽しみな沼かもしれません。
竜沼
みどろ沼から160mのところに竜沼があります。歩いているとあっという間に着いてしまうので、竜沼の看板を見逃すとみどろ沼かと思ってしまうくらいに近くにあります(笑)
写真では少し分かりにくいとは思いますが、写真の中央あたりに水があると思います。それが竜沼です。沼ごとに看板が立っているのですが、この看板を見逃してしまうと竜沼に気付けないと思います。
沼まで距離もあって観察しにくいところが竜沼の惜しいところでしたが、紅葉の時季なんかは葉も色づいて、かなり美しいかもしれませんね。
弁天沼
竜沼から歩いて200mのところに弁天沼があります。ここら辺の沼は待ったなしに次の沼が現れるので、ん?どの沼だ?となるかもしれません(汗)
そういえば、五色沼自然探勝路の入り口にある裏磐梯ビジターセンターで五色沼自然探勝路のマップをもらうことができます。職員の方もすごく親切でした。是非訪ねてみてください。
毘沙門沼の次に大きいのが弁天沼。こちらの沼も青々としていて毘沙門沼の色に似てました。西側の沼底にはウカミガマゴケが植生しており、西側の沼底にはフトヒルムシロが植生しています。
こういった植生の異なる沼は大変珍しいらしいです。弁天沼が透き通るような透明感や青々とした美しい色はこの植物たちの影響だとか。自然って素晴らしいですよねぇ。
写真ではなかなか伝わりにくいと思うのですが、この弁天沼もかなりの大きさがあり風景も開けていたのでとても美しかったです。弁天沼を一望できる展望台も設置されているので、景観を楽しむことができる沼でした。
るり沼
弁天沼から290mほど歩くとるり沼があります。ただし残念ながら見ることはできませんでした。るり沼の看板や展望台はあるのですがヨシという植物が邪魔で沼が見れないんですよね(汗)
こればかりはどうしようもないので次に進みます。るり沼も青色が美しい沼らしいので楽しみにしていたのですが残念です。また来た時に見れたら良いなぁ。
青沼
るり沼から90m、もはやすぐ横に青沼があります。透明度も高く青い色のこの沼は五色沼の中でも最も美しいと定評があります。
沼底に植生しているウカミカマゴケという苔の影響でこんなにも青く透明度の高い水質になっているのだとか。また沼の大きさとしては五色沼の中では最小の沼らしいです。
小さいながらも、かなり景観を楽しめる沼でした。紅葉の時季なんか最高なんだろうなぁ。ここへ秋にも来てみたいな。なんて思わせてくれる沼でした。
柳沼
最後の沼である柳沼は青沼から600mと少し離れた場所にあります。この沼の特徴としては五色沼の中で最も標高の高い位置にあるということです。
この柳沼は名前の通り、岸辺のヤナギの木が美しいことからこの名前になったとか。この沼も透明度が高くて美しかったです。
とりあえずここから歩いてすぐの所に裏磐梯物産館があります。バスの本数も少ないですし、ここで休憩するのも良いかもしれません。
名前は忘れてしまいましたが、ここの中に入っているアイスクリームがとても美味しかったのでオススメです。柳沼を目の前にベンチが幾つもありますので、そこで涼みながら食べると尚絶品です。
裏磐梯物産館の向いにバス停があるので、それに乗ってスタート地点の裏磐梯ビジターセンターに向かいます。確か乗車料金は200円くらいだったような。
まとめ
こんな感じで福島県の五色沼の紹介をしてみました。どうでしょうか、五色沼の美しさ、自然の雄大さは伝わりましたでしょうか。
正直写真や文章で伝えるにも限界があるなーと執筆していて思いました。それほどに美しい風景の連続でした。散策コースも子供も歩けるような優しいコースとなっていますので、磐梯エリアにくる際は是非立ち寄ってみてください。
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