前に執筆した『福島県の絶景スポット!磐梯山エリアにある「五色沼自然探勝路」の散策コースをご紹介』の続き。今回の福島旅行のメインディッシュでもある浄土平へ再訪しました。
というのも3年前にもここに来たことがあるのですが、あまりの絶景だったので、また吾妻小富士からの風景を見たいと奥さんから強い要望があり今回も訪れることに。
前回は浄土平の景勝地である吾妻小富士の登頂に失敗してしまい苦い思いでとなりましたが、今回はリベンジを果たせましたので、頂上からの風景や登山の様子などを写真と共に紹介していきます。
磐梯吾妻スカイラインの景勝地!浄土平とは
浄土平は福島県福島市土湯温泉町鷲倉山に所在する湿原のことで、磐梯吾妻スカイラインのちょうど中間地点にあたります。
ここは吾妻連峰の東部に位置し、今回訪れた吾妻小富士を始め、蓬莱山、一切経山、高山、東吾妻山などの2,000m弱の山々に囲まれた地帯となっていて、浄土平でさえ標高1,600mの場所にあります。
浄土平の形成としては、火山灰が風化してその上に水が溜まり湿原になったらしいです。またこの湿原の上を木道の遊歩道が整備されていて散策することができます。
一切経山の「魔女の瞳」というなんとも厨二心を擽る名前の絶景スポットがあるのですが、この遊歩道を歩いて行かなければならないので、次に来る時には浄土平を制覇し、魔女の瞳に辿り着きたいと思っています。
また浄土平からは吾妻山東部の景観が一望でき、磐梯朝日国立公園にも指定されています。レストハウスや浄土平ビジターセンター、浄土平天文台などもあり磐梯吾妻スカイラインの観光のメインスポットとなっています。吾妻小富士に登る時はここの駐車場を利用します。
福島の富士山!吾妻小富士について
磐梯吾妻スカイラインを走行していると、こんもりとした小さな山が見える。あの富士山のようなシルエットは…吾妻小富士だ!と感動の風景再び!
3年ぶりの懐かしい景色に奥さんとテンションがあがる(笑)でもそれほど感動的な絶景だったんですよね。そんな景色も紹介しながら吾妻小富士の紹介をしていこうと思います。
アクセスや駐車場
住所 | 福島県福島市土湯温泉町鷲倉山 |
アクセス | 車:「福島西IC」または「福島飯坂IC」より約1時間 バス:「福島駅」から福島交通バスにて約1時間30分 |
開放時間 | 24時間開放 |
通行規制 | 11月中旬〜4月上旬 |
駐車場 | 300台 1台500円(二輪車は200円) |
アクセスや駐車場の情報はこんな感じ。車でのアクセスの場合は、ICを降りたら一般道と磐梯吾妻スカイラインを通るルートで約1時間くらいです。
積雪による冬季の通行規制の期間には、多少の前後がありますので、必ず確認してください。「福島市観光ノート」で磐梯吾妻スカイラインの交通情報を確認することができます。
あと駐車料金は全日での料金となります。
吾妻小富士の標高や過去の噴火
吾妻小富士の標高は1,707mで吾妻連峰(吾妻山)の一つであり、今も活火山としてらしいです。名前の由来は、麓の福島市側から見ると小さな富士山に見えるからこの名前になったとか。
また直径450mのすり鉢状になっている大きな火口があり、これは5,000〜6,000年前の噴火により形成されたらしいです。
活火山地域による通行止め規制にご注意を
先述の通り、毎年11月中旬〜4月上旬までは積雪による通行止め規制が発令されるのですが、この地域は活火山地域になりますので、普段とはまるで違う環境になります。
まずニュースなんかでたまに聞く噴火レベルによる規制。普段は噴火レベル1ですが、レベル2になると通行止め規制が発令されます。
また中々聞かないのがガス濃度による規制。規制基準値を超える火山性ガス濃度が観測されると通行止め規制が発令されるみたいですね。
積雪による冬季通行止め以外にも、これだけの自然的な要因で入山できないことがあります。なるべくこちらに向かう日の朝に確認することが望ましいです。
重複してしまいますが、磐梯吾妻スカイラインの交通情報は「福島市観光ノート」で確認できるみたいなので、できるだけ目を通してから向かうことをオススメします。
必ずライブカメラで天候を確認するように
当たり前ですが山は天候が変わりやすいです。晴れていてもすぐに曇ってきたり、いつの間にかに雨が降ってきたり…でも分かっていても確認を疎かにしがちではないでしょうか。
もちろん僕も今回訪れる前に晴天であることを確認したのですが、登山中にポツポツと雨が降ってきました(汗)すぐに雨が止んだので、なんとか事なきを得ましたが、油断は禁物です。
「国道115号(土湯道路)・磐梯吾妻スカイラインライブカメラ」で磐梯吾妻スカイラインの天候をリアルタイムで確認することができます。あとはYahoo天気の雨雲レーダーなんかも結構信用できるのでオススメです。
登山をする際に最低限必要な服装や装備
登山と言うけれど、どれくらいの装備が必要なのか。吾妻小富士は難易度こそ低い山になりますので、ガチガチの登山服などは必要ないとは思いますが、最低でもスニーカーは必要なのかなと感じました。
意外と小粒な石の上を歩く必要があったり、傾斜のキツイ坂道を5分ほど登らなくてはならなかったり、踏ん張る場所が多々あります。
それ以上に火口の周りをぐるっと一周する必要があるので、下手したらガチで滑落します。そんな恐れがあるので歩きやすい靴は必要だと感じました。
また先述の通り、いつ雨が降ってくるかは分かりません。もし吾妻小富士の山頂で雨が降ってきたら駐車場まで30分はかかります。そんなことからレインウェアもあった方が安心なのかなとも思います。
また雄大な景色を楽しめる分、景色が遠いですので、双眼鏡なんかもあった方が楽しめること間違いなしです…運が良いと浄土平に生息する動物なんかも見れたりします。
リベンジ!吾妻小富士の火口部を一周してみる
3年前に訪れた時には、旅行の予定にはない、偶然通りかかった浄土平だったので、時間が無かった関係と僕自身もサンダルであったことから断腸の思いで登頂を断念しました。
そして今回ようやく再訪できたということで、天気が少し心配でしたが、どうにか踏破することができました。頂上からの絶景や登山の様子などを写真と共に紹介していこうと思います。
吾妻小富士をぐるっと一周する登山時間は約1時間半
ウダウダと長ったらしい前おきはここまでで、吾妻小富士に登っている様子を紹介していきます。まずは下の写真のような階段を登ります。
僕の個人的な感想ですが、吾妻小富士の登山で1番キツいのがこの階段です(笑)階段の一段一段の高さは低いものの、一つ一つの幅が広いんですよね…。だから勢いのまま連続して登るのも結構キツかったりします(汗)
ただ驚いたのが階段が新しく綺麗に整備されているんですよね。3年前はボロボロの木の板の上を歩かなければならなかったので、これでも随分歩きやすくなったような気がします。
管理されている方々、文句ばかり言ってすみません…。
キツイのは前半戦。時計回りに一周するのがオススメ
階段を登り終えると目の前に巨大な火口部が姿を現します。写真じゃ伝わりきれませんがインパクトは絶大です。あまりの大きさに距離感がバグります(笑)
ここの山の良いところって階段を登ったらすぐに圧巻の大自然に触れられるところだと思います。冷めたことを言うと別に一周しなくても、階段を登り切ったところで結構満足してしまいますからね(笑)
そんな勧め方はしませんが、それだけの満足感はあります。
最後に噴火したのは5,000~6,000年前とされていますが…それだけ年月が経てば火口にも植物が生えますか。なんだかまだ噴火する恐れのある活火山だということが信じられませんよね。
因みにこの登山コースと火口底の高さは70mもあります。めっちゃデカいです。静岡の大室山は火口底に降りられますが、吾妻小富士は降りれないので悪しからず。
火口の反対側を歩いている人がいたので135mmのレンズで撮影した写真。人が米粒くらいの大きさしかない…。遠くから見ると岩も小さく感じるのですが、こうやって見るとかなりの大きさですよね。
再びこの景色を拝むことができました。日本にいることも忘れてしまうような雄大な絶景。これをメインにわざわざ福島に来たので無事見ることができて良かったです。
中央奥に見えるコブのような山が駱駝山(らくだやま)で直進方向に伸びている道路が磐梯吾妻スカイライン。この道を真っ直ぐ進むと福島市の市街地方面に繋がります。
因みにここら辺一帯は火山地帯の影響かガスが蔓延しており、それが有毒な為道路の傍に路駐して外に出るのは禁止されています。そこら中に看板が建てられていますし、職員も監視しているのだとか。
というかバイクに乗っている人たちはモロにガスを浴びてしまっているんだろうけど大丈夫なんだろうか…長時間吸わなければ平気なんだろうけど…。
石灰岩?火山地帯の土や岩って特殊なんだろうけど、何度見てもこの白い山には驚嘆させられる。何故あの一帯だけ山が白いのか。
白根山付近でも似たような色の山はあったけど、これほどの規模でもないもんなぁ。まさに奇景。何故白いのか知っている人がいたら教えてください。
傾斜がキツイ北側は踏ん張りながら登る
絶景に別れを告げたらいよいよ吾妻小富士の最難関である傾斜の道を登っていきます。この山でキツいのは今から登る坂道と入り口の階段だけです。さて!気張って登ります。
火口を進むと徐々に景色も変わり福島市の市街地や福島盆地が見えてきました。この登山ルートは山の頭の部分をぐるっと一周するコースになっているので、色んな景色が楽しめるのが最大の魅力ですよね。
見覚えのある風景…3年前にサンダルだった為に挫折した坂道です。写真だと緩やかな坂道が続いてるように見えると思いますが、これが登ると結構キツいんですよね。
さて、3年前に逃した風景を拝みに行くとしますか。
遠くから見たら緩やかに見えた傾斜も近くから見ると結構やばくないですか(汗)傾斜だけではなく、大きめの岩から乾燥した砂利道となっているので、これが中々踏ん張りが効かないんですよ。
傾斜ゾーンを無事クリアしました。こうやって見るとエグい傾斜なのですが、実際はサンダルで登っている人もいれば、ビーチサンダルのおじいちゃん、ワンピースのお姉さんなどもいましたので、まぁ何とかなると言えば何とかなりますが、そこは自己責任で(汗)
ようやく辿り着いた!吾妻小富士の山頂からの絶景
無事傾斜ゾーンをクリアし、あとはイージーモードです。目の前にある山頂に心が踊ります。そんな矢先…ポツ…ポツ。えっ雨…。流石にここではマズい。
こんもりしている部分が吾妻小富士で最も高い場所。そして火口の登山コースの丁度半周地点。ここで雨はヤバすぎる。リュックの中には100万円近いカメラ機材も入っている。
どんなに急いでも車までは30分はかかるし…どうしようと悩んでいましたが、なんとか雨も超小雨くらいだったので、一か八かかけて登山を楽しむことにしました。
ふぅ〜ついに頂上に到着しました!前回は諦めてしまったのが心残りだったので、3年越しにはなりますが、今回こそ達成できて本当に嬉しかったです。
火口の反対側を見ると最初に登った階段の方が小さく見える。こうやって見るとそれなりに高低差があるんだな〜なんて思ったり。
景色がめっちゃ広い!少しどんよりとした眠たい写真ですが、頂上からは福島盆地を見ることができました。頂上からの風景はこんな景色だったんだねぇ。
途中に岩場あり。足元注意!
頂上からの絶景を楽しんだ後は第二の関門である岩場を歩いて行きます。平坦な道ではあるものの、道幅がぐっと狭くなるので注意が必要です。
完全に道を塞いでいるように見える巨岩。一瞬たじろいでしまいますが、よ〜く見ると細い道のようなものが外側にある…。
ほっそ…。こんな道を通らなければならないのか…。というかこの道が正解かどうかも分かりませんが、ここ以外は通れそうにもないので、渋々歩いていきます。子供には少し危険かもしれませんね(汗)
ただし、この岩場はゆっくり歩いても10秒くらいで終わるので、慎重に歩けばなんの問題もないです。ここ過ぎれば残るのはイージーコースのみです。
岩場を越えたら緩やかなコースを歩いて階段へ戻る
傾斜の道、岩場ゾーンを抜けたら残るのはなだらかな下り坂のみです。あとは雨が降ってこないかだけが心配ですが、景色を楽しみながら入り口の階段を目指します。
福島盆地も見納めとなり、景色が森の緑一色となってしまった。双眼鏡などを持っていれば動物も見ることができそう。
ワンピース・サンダルという装備で登山を舐めプしている奥さんですが、とうとうここまで一緒に来てしまった…(何ならワイよりも元気なのが驚嘆する)
登山コースがこれほど細く、両脇には崖。人が3人並んで歩けないくらいの幅しかないのに全く恐れを成さない奥さん。ワイはビビリまくってゆっくりでないと進めないのに…なんて逞しいんだ。
帰ってきた…。浄土平と駐車場が見える。長いようで短い空中散歩だったな。でも火口をグルッと周るなんて滅多に経験できないし、色んな景色も見れて楽しかった。
なんとか雨も強くなる前に戻ってこれたので、超絶安堵しました。
まとめ
吾妻小富士を完全制覇したということで、過去の後悔を無事払拭することができました。この山も要所要所で苦労はしましたが、頂上から見た福島盆地の絶景は忘れません。
火口を歩く…なかなかできない経験ですし、距離感がバグる程の圧倒的な超自然を目の前にすると色んな考え事なんて吹っ飛びます。そこには素晴らしい自然や景色がありますので、訪れた方は是非体験してみてください。
そしてこの記事で今回の福島旅行シリーズは締め括らせて頂きます。読んでくださりありがとうございました。今回の旅で訪れた尻吹峠では苦い思いをしたので、いつかまたリベンジしたいと思います!
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