SONYで初めて購入したレンズが「FE 24-70mm F2.8 GM(以下SEL2470GM)」だった。僕にとっては思い出のあるレンズだ。
そのレンズがフルモデルチェンジということで「FE 24-70mm F2.8 GMⅡ(以下SEL2470GM2)」として今月販売が開始した。
思い出のあるレンズがバージョンアップして販売されている…正直なんだか複雑な心境だ。僕が所有している「SEL2470GM」はまだまだ現役。今でも重宝している。
但し、僕が「SEL2470GM」を購入した時は、ユウマガもまだ初めてなくて、いざブログを始めた時には、今更このレンズのレビューを書いてもな…なんて感じてしまい、紹介するタイミングを失ってしまっていた。
しかし「SEL2470GM2」が発売して、価格こそは下がってしまったとは言えど、今でも素晴らしいレンズだと思っているので「SEL2470GM2」と比較などをしながら「SEL2470GM」のレビューをしていく。
名称 | FE 24-70mm F2.8 GM |
レンズマウント | ソニー Eマウント |
対応撮像画面サイズ | 35mmフルサイズ |
焦点距離 | 24-70mm |
絞り値 | F2.8(開放絞り) F22(最小絞り) |
最短撮影距離 | 0.38m |
最大撮影倍率 | 0.24倍 |
画角 | 84°-34° |
レンズ構成 | 13群18枚 |
フィルター径 | 82mm |
質量 | 886g |
関連記事:【作例・レビュー】SONY FE 135mm F1.8 GMのとろけるようなボケ味と圧倒的な描写力
SONYの最高峰レンズである「G MASTERシリーズ」の記念すべき1本目
現行でのSONYのレンズには、コニカミノルタから受け継いだ、高性能レンズ「Gレンズ(G)」とカール ツァイスとソニーの共同開発で生まれた「ZEISS レンズ(ZA)」そして今回紹介する、SONY独自の技術により開発された「G MASTER(GM)」がある。
従来SONYがハイエンドユーザー向けといていた「Gレンズ」よりも更に上位グレードモデルとして開発されたのが「G MASTERシリーズ(以下GMシリーズ)」で、現行のラインナップでは最高峰レンズとして位置付けられている。
簡単な話、現在SONYが持つ全ての技術を結集して開発されたのが「GMシリーズ」。コンセプトの一つに、『未来を見据えた高性能なレンズ』とあり、10年後のカメラボディに使用しても満足して使えるように開発された。
その「GMシリーズ」として今から6年前に初めて世に送り出されたのが「SEL2470GM」だった。
これだけ年数が経過しているので、それなりに古いレンズの部類に入ってしまうかもしれないが「GMシリーズ」が掲げるコンセプト通り、今でも変わらず現役バリバリで問題なく使えている。
「SEL2470GM」の上位互換である最新レンズ「SEL2470GM2」の比較
名称 | FE 24-70mm F2.8 GM | FE 24-70mm F2.8 GMⅡ |
レンズマウント | ソニー Eマウント | ソニー Eマウント |
対応撮像画面サイズ | 35mmフルサイズ | 35mmフルサイズ |
焦点距離 | 24-70mm | 24-70mm |
絞り値 | F2.8(開放絞り) F22(最小絞り) | F2.8(開放絞り) F22(最小絞り) |
最短撮影距離 | 0.38m | 0.21m(ワイド端)/0.30m(テレ端) |
最大撮影倍率 | 0.24倍 | 0.32倍 |
画角 | 84°-34° | 84°-34° |
レンズ構成 | 13群18枚 | 15群20枚 |
フィルター径 | 82mm | 82mm |
質量 | 886g | 695g |
絞りリング | 非搭載 | 搭載 |
一応構造の違いはこんな感じ。やはり「SEL2470GMⅡ」は最新機種というだけあり、様々な部分が改良されている。
まずは表の上から。最短撮影距離が大幅に短くなっている。従来のレンズよりも更に被写体に寄って接写ができるようになった。
最大撮影倍率も進化したことにより、従来のレンズよりも被写体を大きく写すことが可能となった。
レンズ構成が増えるということは、光学技術の向上に繋がっているので、単純に描写性能は上がっている。且つレンズの中に使用されているガラスの枚数は増えているにも関わらず、しっかり小型軽量化されていることに驚嘆する。
最後に絞りリングを搭載したことによる操作性の向上。従来のレンズはボディの絞りダイヤルで、F値の操作をしていたのだけれど、今回からはレンズでF値の操作をできるようになった。これがかなり使いやすいんだよなぁ〜。
また表には無いのだけれど、AF機能も向上している。しかし「SEL2470GM」から既に爆速AFだったので、体感ではそこまで変わりはないのかもしれない。
PHOTO YODOBASHI(フォトヨドバシ)さんから「SEL2470GM」と「SEL2470GMⅡ」のAF比較動画が凄く分かり易いので、とても参考になる。
「SEL2470GM2」が発売したことにより、今後更に「SEL2470GM」の価格が下がるかもしれない
悲しきかな…。重宝していた「SEL2470GM」の価格が少しずつ下がっている。フルモデルチェンジされた後継機が発売されたので、仕方のないことだけど、やっぱり悲しい(泣)
元々の価格が28万円くらいなのが、2022年6月25日時点でオンラインショップでは21万円弱まで値下がりしている。
そしてこれからも価格が下がり続けるのは容易に想像できるので、そのうち20万円を切るかもしれない。気になっている人はチェックしておいた方が良いかもしれないです。
SONY純正レンズの最高級であるGMシリーズ、しかも大三元標準ズームレンズが10万円台か…。
型落ちでも「SEL2470GM2」に一切引けを取らない描写の美しさ。「SEL2470GM」の作例
「SEL2470GM」が型落ちとは言えど、SONY技術の集大成であるGMシリーズには変わりない。写真家やプロカメラマンにも重宝されてきたレンズなので、6年前のレンズだけれど間違いなく描写は申し分ないと思っている。今回はレタッチ無しで撮って出しで作例を載せていく。
柔らかい光の階調はGMシリーズの強みだと思う。発色も良いのでレタッチの必要性を疑う人も居るのが頷ける。
70mmで接写した写真。どんなレンズもズームで撮影した場合、写真の四角の解像度が落ちると思うのだけれど、このレンズは然程気にならない。
空の色の階調が素晴らしいなと思った写真。写真中心部分が白飛びしそうだけど、微かに青色が残っている。この発色の階調もGMシリーズの強みだと思う。
空がほんのりと染まる夕焼け後の写真。微かな暖色もしっかり捉えられている。これだけ暗くても周辺減光なども気にならない。
ズームレンズだけど、しっかりボケる。比較写真の為敢えて大きくボカしていますが、これぞGMシリーズの真骨頂と言わんばかりに、ズームレンズと思えないくらいに美しくボケます(改めて感動した)。
どんなシーンでもとりあえず所持していれば事足りる汎用性が抜群に高いレンズ
焦点距離が24-70mmで「広角」「標準」「望遠」を兼ね備えた大三元ズームレンズなだけあり、汎用性は抜群に高い。よっぽどでない限り大抵はこの1本のレンズでカバー出来てしまう。
広角24mmと望遠70mmで撮影した写真。大三元ズームレンズだけあり画角もここまで変わる。
「カメラが上手くなりたいなら単焦点レンズで撮影しなさい」はカメラ界隈ではよく聞く話だし、言っていることも理解できるけれど、旅行などの場合、どうしてもレンズの交換が面倒でズームレンズに甘んじてしまう。
だって焦点距離も広いから色んな画角で撮れるし、それでいて良くボケるんだもん。そりゃこの1本で撮影したくなるわ。と理解しながら甘んじています(笑)
「SEL2470GM」のデメリットや注意点
しかし何かと重たいのがデメリット。重さが886gと重たいレンズなので、一日持ち歩くと良い運動になる。そして「SEL2470GM」をカメラに付けた時、頭でっかちになってしまうので、どうしてもレンズが下向きとなってしまい不格好に見える。
また単焦点のGMシリーズには、使い易いでお馴染みの「絞りリング」があるのだけれど、「SEL2470GM」には搭載されていない。
この辺りのデメリットを全て改善したのが「SEL2470GMⅡ」だ。重量が695gと小型軽量化に成功し、尚且つ「絞りリング」も搭載している。
AFも改善されたらしいけど、それは「SEL2470GM」で十分なので、上記のデメリットの改善の為に10万円を多く払って「SEL2470GMⅡ」を購入するかが悩みどころになると思う。
まとめ
発売してから6年目…今更過ぎるけど、ようやく愛用していた「SEL2470GM」の記事を執筆することが出来て本当に嬉しく思っています。
それなりに古いカメラではありますが、未だにレンズ機能としては超一級だと思っています。GMシリーズが掲げる「10年後も使えるレンズ」とは正にこのことなんだと改めて理解しました。
そして今月発売された「SEL2470GMⅡ」とどちらを購入するか悩まれている方への後押しが出来たら嬉しいです。
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