以前執筆した『県境の絶景。秋の渋峠から見下ろす『芳ヶ平湿地群』の紅葉と雲海の景色がとにかく美しい』の続き。
1日目は天候にも恵まれ、渋峠からの美しい風景と万座温泉街やその周辺の景色を堪能することが出来た。

2日目は渋峠から車で5分ほどで辿り着ける『横手山』を観光してきたのだけれど、何かと「日本一」がやたらと多い場所で、色々面白かったので、こちらも紹介していこうと思う。
横手山とは
『横手山』とは、長野県下高井郡山ノ内町と群馬県吾妻郡中之条町との境にある山のこと。志賀高原の盟主である「横手山」は、数ある志賀高原に含まれる山々の中でも、2番目に高い山で標高は2307mと先日訪れた渋峠の「国道最高地点」よりも更に高い所にある。余談だけれど、志賀高原の最高峰は裏岩菅山で2341mらしい。

勿論、山頂からの展望も素晴らしく、天気が良ければ日本アルプス(北・中央・南アルプス)や富士山、八ヶ岳、浅間山や谷川岳など、名だたる山々を眺望することが出来る。しかし残念ながら、この日に富士山を拝むことは出来なかった。
「横手山」は元々はスキー場として開拓された山で、過去のスキーブームの火付け役にもなった映画「私をスキーに連れてって」の撮影地でもあり、今でもスキーヤーの憧れのスキー場となっている。

そんな「横手山」は冬から春にかけてウィンタースポーツで賑わい、春も終われば雪が溶け、夏になればあっという間に新緑のシーズンを迎え、下界よりも早く秋が訪れるので、一足先に紅葉を楽しむことができる。春夏秋冬、様々なシーズンで全く違う観光を楽しむことが出来るのが横手山の魅力。
横手山山頂までのアクセス
横手山ドライブインへのアクセス | 上信越自動車道信州中野ICから車で約50分 長野電鉄長野線湯田中駅から車で約40分 ナビ設定「長野県下高井郡山ノ内町平穏7148」 |
営業時間 | 9:00~15:45(レストランは9:00~15:00) |
営業期間 | 4月下旬〜10月下旬 |
駐車場 | 約100台(無料) |
今回は、横手山ドライブインから乗車できる「スカイレーター」に乗り、その後「スカイペアリフト」に乗り継ぎ、横手山の北側斜面から山頂を目指す。
駐車場は横手山ドライブインに駐車でき「スカイレーター」は横手山ドライブインから徒歩1分の場所にある。そこに券売所があるので、そこで乗車券を購入するような流れとなっている。地図は記事の一番下に載せてあるので確認してほしい。

また、実は横手山の山頂まで行けるリフトは2つ存在しており、北側斜面にある「スカイレーター・スカイペアリフト」と南側には「ロマンスリフト」というリフトが山頂まで伸びている。
そして「ロマンスリフト乗り場」から「スカイレーター乗り場」へシャトルバスが出ているので利用すれば2つのリフトを楽しむことが出来る。
流れとしては、まず横手山ドライブインからスカイレーターで中腹まで上り、スカイペアリフトに乗り換えて山頂に到着。下りはロマンスリフトで下山し、シャトルバスに乗り、横手山ドライブインへ戻ってくる。そうすればスムーズに2つのリフト楽しむことが出来る。
スリル満点な『スカイレーター』で横手山山頂を目指す
営業時間 | 8:45~16:00 |
営業期間 | 6月下旬〜10月下旬 |
料金(スカイレーター+ペアリフトもしくはロマンスリフト ) | 片道1200円(子ども1000円) 往復1800円(子ども1500円) |
3年前に渋峠に訪れた時に、一番気になっていたのは、横山手ドライブインから剥き出しになっているエスカレーターが山の上まで伸びているということ。当時は時間が無く、横手山山頂には立ち寄れなかったけれど、その異様な光景がどうしても気になって仕方なかった。

「何それ?」と奇怪な眼差しを感じそうなことを自分で言っているけれど、ちゃんと実在する。それが『スカイレーター』だ。
『スカイレーター』とは横手山山頂に行くまでの山に設置されたエスカレーター的な動く歩道のことで「日本一高所にあるエスカレーター」として知られており、なんと昭和42年に既に完成していたらしい。
前回の心残りでもあったので、とりあえず念願の「スカイレーター」に乗ってみる。感想としては…乗り心地は非常に悪い(笑)

何と言っても傾斜が急すぎる。山の斜面に作られたからとはいえ、体幹を保つのに少し気を遣う。それに合わせて思った以上に速度が速い。乗り降りするタイミングを間違えば転びかねない速度だった。足腰の悪いお年寄りが乗るにはあまりオススメできない乗り物に感じた。
あまり悪いことは言いたくないのだけれど、公式でもやんわりと「スカイレーター」の乗り方を注意喚起している絵などがあったので、注意としてこの場でも記しておこうと思う。
しかし、確かに乗り心地は良いとは言えないけれど、屋外型エスカレーターという物珍しさと雄大な景色を眺めながら移動する歩道にはやはり感動を覚える。なかなか体験できないと思うので、若い方や健康な人にはオススメしたい乗り物だ。

日本一高所にあるリフト『スカイペアリフト』に乗り継いで横手山山頂へ
スカイレーターからの景色とスリルを楽しんだら横手山中腹に到着するので、そこにある二人乗りのリフト『スカイペアリフト』というリフトに乗り換える必要がある。このペアリフトに乗り継いでようやく山頂に到着する。
初めての人は誰しもがスカイレーターで一発で山頂まで行けないんかい!とツッコミたくなるような展開だけど、まぁリフトも楽しいし…ってことで乗車。
因みに先ほど紹介した「スカイレーター」同様、こちらの「スカイペアリフト」も日本一高所にあるリフトとして知られている。

乗車したのは良いのだけど、この「スカイペアリフト」も中々面白い。他には無いくらい、かなりの急斜面で、且つ低い位置で運行している。爪先を地面に伸ばすと着いてしまう程にスレスレを運行している。そんな足スレスレゲーム?や美しい景色を眺めていると山頂に到着。

横手山の山頂は標高2307mと渋峠よりも少し高く、見晴らしも更に良い。リフトの横にはテラスがあり、更に高い場所から、前回の記事で紹介した『のぞき』などの美しい風景が見ることできる。因みに山頂には他にカフェとパン屋がある。

なんでもここのパン屋が「日本一標高の高いパン屋」らしく、入ってはみたけれど、混んでいたので、リフト乗り場の2階にある山頂にあるまじきオシャレなカフェがあるのでそこで昼食を食べることにした。
日本初のクランペット専門店、横手山山頂のカフェ「クランペットカフェ」
クランペットとは主にイギリスなどで食されるパンケーキのこと。何故か分からないけれど、こんな辺境の地に「日本初のクランペット専門店」である『クランペットカフェ』がある。

2000mを超える山の頂にあるとは思えない程にオシャレな店内と、落ち着いた雰囲気でのんびりできる。また今シーズンにオープンした「プライベートテラス」でお茶をしながら絶景を独り占めにできるのも、このカフェの大きな特徴だ。

メニューには、カフェらしいドリンクやクランペットの他にも、カレーやちょっとしたおつまみなどがあり、こんな場所にありながら色々と豊富なメニューがあるのが印象だ。
せっかくなのでクランペットとやらを食べてみよう!ということで、今回は「卵・ハム・クリームチーズのクランペット」を注文した。全く馴染みの無い料理なのでドキドキ。

感想としては、めちゃ美味しかった。上に乗ってる分厚い卵はフワフワで、甘いクリームチーズが中から溢れ、ハムの味も負けてない。
食感は日本のパンケーキよりは少し固めで、朝マックのマフィンのバンズをもっとしっかりしたような感じ。正直もっと日本で流行っても良いと思う。
とりあえずお腹を満たして、カフェの外に併設されているテラス「満天ビューテラス」で絶景を眺めてから移動する。

横手山山頂の絶景テラス『Point 2307』からの壮大なパノラマビューを楽しむ
横手山山頂に今シーズンにオープンした絶景テラス『Point 2307』のパノラマビューも素晴らしい。数々の山から形成されている志賀高原の中でも、横手山は2番目に標高の高い山だけあり、ここから眺望できる景観が半端じゃなく美しい。

横手山の急斜面に作られており、立ち入るのが若干怖かったけれど、美しい景色にいつの間にか恐怖心は無くなっていた(笑)

テラスから下を覗けば、美しい志賀高原の紅葉を一望でき、条件さえ揃えば富士山や飛騨山脈、なんと佐渡島まで見渡せる(今回は雲に覆われて拝めなかったけれど…)。
近くにあるどの山よりも、何なら雲よりも高い位置にあるこのテラスからの絶景に、間違いなく感動すると思うので、渋峠に訪れた際は、是非とも足を運んで欲しい。

まとめ
とりあえず渋峠の旅はこれでおしまい。今年の渋峠もそろそろ冬季閉鎖で道路が通行止めになってしまうので、もし検討されている人は来年に訪れた方が良いかもしれない(こんなタイミングで執筆しておいて何だけど…)

とりあえず初日には大規模な雲海も見れたし、スカイレーターにも乗れたし、クランペットも食べることが出来たので、3年前にできなかったことを余すことなく出来たと思う。もし次この周辺に訪れる際は、白根山や芳ヶ平なんかも散策してみたいと思う。
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