実用性とデザイン性を兼ね揃えたスノーピークの『クラシックケトル 』レビュー

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キャンプ用品のキッチン周りで一際目立つのがケトルだと思う。クッカーや鍋などとは違い、どれもデザインの個性が強い為、良い意味でも悪い意味でも存在感を放ってしまう。


「キャンプなんて楽しんだ者勝ち」、見た目から入るのは僕の悪い癖だと承知しているが、材質も様々あるのでケトルについては色々悩んだ。結局購入したのが、以前紹介したスノーピーク(snow peak)から販売されている湯沸器、『クラシックケトル』。使用した感想をレビューしていく。

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『クラシックケトル』のスペック

snow peak ケトル
メーカースノーピーク(snow peak)
材質ステンレス
サイズφ115×247mm
満水容量1.8ℓ
重量690g


スノーピークならでは、安心安全に使用できる「Made in JAPAN」
ステンレスなので、焚き火台の上や直火でも使える
大きさの割には重量は軽いので荷物が多くなるキャンプに最適


他メーカーのケトルと比べると高額
重量は軽いが大きい為、幅をとってしまう
ホーロー素材などに比べると熱が伝わりにくい

様々な工夫が施された実用性

パッと見で、他メーカーとの機能性に大きな差は無いように見えるが、細かい部分に工夫が施されている。
例えば、焚き火台の上で使う際に灰が入らないように、注ぎ口に蓋がある。または直火で吊るしてお湯を沸かす為のフックが付いている。ここら辺の機能としては他メーカーと変わりはない。

直火の際に使うフック
直火の際に使うフック

このクラシックケトルを購入するにおいて最大のメリットは、注ぎ口の蓋をロックできる機能がついている事。

注ぎ口をロックできる注ぎ口をロックできる

灰混入を防ぐ注ぎ口の蓋に、クルンと丸まったモノがある。それが上蓋の出っ張りに「パチンッ」と噛み合ってロックされる仕組みになっている。これは多分他メーカーには無い機能。

因みに他メーカーの場合は、注がれるお湯の水圧で蓋が開く仕組みとなっている。水圧場合蓋が上手く開かず、お湯が綺麗に注げない事もあるだろうし、コーヒーを淹れる場合などは、少量ずつお湯を注ぎたい。そんな不安を払拭して安心して使えるのがこの『クラシックケトル』の最大の魅力だと思う。

細い線を描きながらこまめに湯量を調節できる
細い線を描きながらこまめに湯量を調節できる

ケトルと言えば、ドバドバお湯を入れるイメージがあるが、注ぎ口も非常に精密に造られている為、少しずつお湯の量を調節できる。また少し地味な点ではあるが、持ち手の部分にも工夫が施されている。

バーナーや直火で長時間温める場合は持ち手の部分が熱くなる事もあるのだが、ケトルと持ち手の間が他メーカーに比べて幅広に造られている。これは元々ミトンやグローブ装着した事を想定して造られたのだろう。

お湯を沸かした状態で持ち手を持つ事もできるのだが、万が一掴んだ指がケトルに触れたら流石に火傷してしまう。またグローブなど着けると、かさばって掴みにくくなるが、幅に余裕がある為掴みやすい。地味な点だが、安全に使う意味でも工夫されている。

ケトルから幅広く造られた持ち手
ケトルから幅広く造られた持ち手

このような細かい部分まで細工が施されている点が流石はスノーピークといったところ。因みにグローブはキャプテンスタッグの焚き火用グローブを使用している。耐熱加工されており、生地も柔らかくとても使いやすいのでおすすめ。

キャプテンスタッグ耐熱グローブ
キャプテンスタッグ耐熱グローブ

「一生使える」精密に作られたケトル

テントなどは消耗品なので、いずれ破れたりして買い替えが必要となる。しかしステンレスで造られたケトルは頑丈な為、使い方を間違わなければ「一生」使う事ができる。

また海外メーカーの製品のモノは安価な代わりに「ネジがガタつく」や「溶接が雑」といった意見もよく見られる。その点に関しても「Made in JAPAN」であるスノーピークのクラシックケトルは非常に精密に丁寧な造りの印象を受ける。

上記で挙げた工夫もそうだが、造りもしっかりしており、目に見えない部分の溶接にも丁寧さと拘りを感じる。本社のある燕三条市は金属加工職人の町。一つ一つ職人の手で丹精込めて造られた製品が、海外製よりも高品質なのもうなずける。

目に見えないケトルと注ぎ口の溶接もしっかり施されている
目に見えないケトルと注ぎ口の溶接もしっかり施されている

蓋も約180°開けられるので、お手入れもしやすい。

湯溢れ防止も付いている
湯溢れ防止も付いている

内部の様子。上蓋の口径も広い為、背丈が180cm以上ある僕の大きな手でも、手を突っ込んでガシガシ洗える。また注ぎ口の横に板のようなモノが見えるが、これはケトルを傾けすぎてお湯が溢れないように湯溢れ防止の為の板。この配慮も施されているのもクラシックケトルくらいでは無いだろうか。とにかく設計が素晴らしい。

所有欲を満たしてくれるクラシカルで洗練されたデザイン

現代のテクノロジーが進化した時代とは真逆の、昔ながらの古典的な縦長ケトルがとても魅力的。テーブルの上に置いておくだけでも、絵になるようなデザインになっており、何度使っても飽きないケトルだ。

今はピカピカで綺麗な状態だが、焚き火や直火で「煤」や「焼け」の状態にすると、一気にビンテージ感も出てくるので、いつかはケトルを焼いてみようと思う。因みに一度焼いて「煤」や「焼き」の焦げ汚れたケトルもメラニンスポンジで磨くとピカピカに戻るらしい。

見飽きない美しいデザイン
見飽きない美しいデザイン

話が逸れるが、銅やホーロー材質のデザインも非常に魅力的。ランタン同様、集め始めたらキリが無いんだろうけど、それでもその風貌と醸す雰囲気に心が奪われる。本当にケトルはそれぞれ個性が強く、見た目も可愛らしいので、おすすめのケトルをいくつか紹介したい。


ファイヤーサイド社の「グランマーコッパーケトル」。材質は銅を使用しており熱伝導率が高くケトルとしては非常に優秀。使う程に風合いが増していくこのケトル、「Made in JAPAN」という点もとても魅力的。

二つ目は、ホーローと言えばGSI社の「ホウロウコーヒーボイラー」。ホーローは熱に強く熱伝導率も高いが、強度は弱い。表面はガラスも加工したモノで造られている為、落下や衝撃、急激な寒暖差で割れてしまう事もある。しかし大自然の中で、ハイジやラピュタで出てきそうな(固定概念の押し付け)このアンティークなケトルを使うのも一つの憧れだ。

まとめ

価格だけ見たら高く思うかもしれないが、スペックやデザイン、所有満足感などを鑑みてもお値段以上に思える製品だと思う。因みにIHキッチンでも使えるので、意外と自宅でも使う事ができる。クラシックケトルを自宅で使い、ちょっとしたアウトドアな気分に浸るのも良い。ケトルは一生使えるモノなので、妥協なく選びたい。

五徳の上でも使えるサイズ
五徳の上でも使えるサイズ
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