撮影をする時に色々と瞬時に考えるのが構図。背景のモノを目立たせたいからこの構図にしようとか、この曲線が綺麗だから写真全体に収めようとか。
普段カメラをやっている人、やっていない人でもそんな事を何となく考えながら撮影していると思うのだけれど、今日はそんなフワッとした構図の部分を深掘りしていこうと思う。
今回紹介するのは構図の基本中の基本「日の丸構図」について写真を見ながら活用法を解説していく。
「日の丸構図」とは
日の丸構図とは字の通り、日本国旗の日の丸のように被写体を中心にして撮影する構図のこと。
被写体を引き立てたいなら間違いなく「日の丸構図」
写真の構図って実は数十個あるのだけれど(中にはこじつけみたいな構図もあるけど)その中で最も被写体を目立たせることが出来るのは間違いなく日の丸構図だと思う。だけど逆に言ってしまうと、平凡過ぎて目立たなかったりする場合もある。
日の丸構図で撮影する際に最も大切なのは『中心にいる被写体をどうやって引き立てるか』。これを意識するのと意識しないのでは大きな違いがある。
ではどうやって被写体を引き立てるのか?例えばポートレートであれば中心に置いた被写体以外の背景をボカしてしたり、写真全体がごちゃごちゃしないようになるべく被写体以外は写さないように心掛けたり。ここらへんの話はまた後ほど。
「日の丸構図」がダメだと言われる理由
これはたま〜に聞くワードだったりするのだけど、日の丸構図がダメだとかダサいという意見を見聞きする。実際に僕も言われたこともある(泣)
なぜ日の丸構図がダメかと言うと、被写体を中心に置いて撮るという行為に考えが無いという意見や、初心者でも撮影できる構図ということ。
または躍動感が無いので記念写真っぽくなってしまいアートで言う作品にならないという意見で日の丸構図はダメだ!ということらしい。
「日の丸構図」はダメじゃない!胸を張って撮ってほしい理由
まぁ上記の理由から日の丸構図ではダメ!と言う人が一定数いるのは確かなのだけれど、そんな意見は気にせず撮影してほしい。なにせプロの写真家やカメラマンでも日の丸構図を作品として撮影しているのだから。
むしろ構図なんて気にしていないプロの写真家だっているくらいだ(身体に染みついているんだろうけど)。カメラ学校などで学んでいるならまだしも、そもそもが構図の事で他人に意見すること自体がナンセンスな可能性もある。
しかし日の丸構図を否定する人の意見も決して間違ってはいない。言いたいことも分かるし一理もある。ここで作品として差が出るのが先ほど説明した「中心にいる被写体をどうやって引き立てるか」だ。
カメラ初心者の人ならば、まず間違いなく最初は日の丸構図から入るし、それで良いと思う。そして段々と慣れていき、どうすれば被写体を引き立てられるか自分なりに試行錯誤して、色んな日の丸構図を撮影できるようになっていくのだから。
カメラ歴10年を超えるワイだって1番好きな構図は日の丸構図だ。ダメだとは言わせないし日の丸構図だとしても毎回自分なりの考え方や理由を持って撮影しているつもりだ。
俺を見習え!なんてオラオラした意見を言うつもりは毛頭無いけれど、好きな構図で撮ることは悪いことではないし、周りの意見に左右されずに恐れずに撮影してほしい。「どう考えながらシャッターを切るか」なんだと思う。
ダメとは言わせない!「日の丸構図」を活用した写真テクニック
日の丸構図で撮影する場合、どうすれば中心にいる被写体を引き立てられるのか?この構図で撮影する時にどう考えながらシャッターを切れば良いのか日の丸構図を活用した写真テクニックを解説していく。
どーん!と中心に被写体を置いて目立たせる
人でも建物でも何でも良いので、まずは中心に被写体を置いて目立たせる。とりあえず写真の真ん中に被写体があれば日の丸構図の完成!
ただし何の考えや捻りも無かったりすると俗に言うダメだと言われる日の丸写真になってしまうので、作品にする為に色々と工夫しながら撮影してみる。
背景をボカして被写体を更に目立たせる
街中だとゴチャゴチャしていて被写体の背景がまとまらない時がある。日の丸構図で撮影しても背景がうるさいので被写体が全然目立たない。
そんな時はF値(絞り値)を調整して、なるべく数値を小さくすると良くボケる。ボカし過ぎてもアレ何だけど、今は無視して被写体を目立たせるコツを掴んでほしい。
上の写真は左右にスクロールできるので確認してほしいのだけれど、左側は背景をボカしてない写真で、右側の写真は背景をボカした写真となっている。背景をボカすだけでも写真の雰囲気はガラリと変わりませんか?
どっちの方が良いとかではないのだけれど、ボカしてないと平面的でノッペリとした印象で、ボカした方は被写体が立体的になっている印象を受けると思う。このように日の丸構図で自然に被写体を引き立てる事ができる。
本当にちょっとした違いなんだけれど、こういう細かい部分にカメラや写真の面白さを感じて貰えたら凄く嬉しい。
同じ写真ばかりじゃ飽きてしまうので、被写体に動きをつけてもらう
人を撮る場合は被写体に動きをつけると一層面白くなる。日の丸構図でボカして撮るのは分かってもらえたと思うのだけれど、同じ写真ばかりでは撮影者も被写体も飽きてしまう。
更に意図せず被写体を撮影すると記念写真っぽくなってしまう。ピースなんてして撮影したらもはや記念写真の完成だ(思い出を重んじるワイはOKなんだけど否定勢が許してくれない)。
そんな時は被写体に色々と動いてもらう。人が居ない海などでは大きな動き(ジャンプをしたり)をつけたり、街中で人が多い場合は小さな動き(横を向いてうつむく)をつけたり、この部分はモデルさんと相談をしながら動きをつけていくと日の丸構図もより面白くなる。
また動きをつけることで組み写真にした場合、一連のストーリーなども出来たりするので、是非チャレンジしてみてほしい。
なるべくスッキリした背景を探す
ボカす技術や被写体に動きをつけるのは分かってもらえたと思うのだけれど、今度は背景選びについて。これが意外と難しい。どうやって被写体を引き立てるのかは背景選びでも大きく左右する。
一つのコツとしては背景がスッキリとした場所を選ぶこと。これにより被写体との差別化を図ることができるので引き立てられる。
これはワイが少しかがんで空メインの背景で撮影した構図だけれど、普通に立って撮影してしまうと山の麓にある町が写ってしまい、シンプルな写真ではなくなってしまうのでこのように撮影した。
空以外にも壁とか海とかでもシンプルな背景にすることが出来るので、スッキリさせて被写体を引き立てたい人にオススメしたい。
この背景選びが上手くなると、背景を無理にボカす必要が無くなる為、風景の良さを損なわずに日の丸構図を撮影することができる。
食べ物などの料理写真での「日の丸構図」は難しい
ここまで日の丸構図を色々紹介してきたけれど、食べ物に限っては日の丸構図を使うのはオススメできない。何故なら飲食店のメニュー表のような写真になってしまうから。まぁ確かに言われてみればそんな気もする…。
そんな時はお皿の位置を変えたり陽の光などを入れてアクセントをつけるとメニュー表っぽくはならないので試してほしい。
まとめ
今回は基本中の基本である日の丸構図について解説してみた。この記事で一つ言いたいのは日の丸構図はダサくないしダメではない。
そう言われない為に撮影方法や考え方を記したのだけれど結局はどう被写体と向き合っているか。日の丸構図だねと言われた時に自分なりの考えがあれば正直何を言われても怖くはなくなる。
プロだって使う構図だし胸を張って日の丸構図を活用してほしい。
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