美味しい物が食べたい。
食欲の秋がやってきた。何か美味しい物が食べたくなる季節ということで、9月の3連休に小旅行を兼ねて隣県の静岡に行ってきた。普段旅行となれば『写真スポット』をメインで考えるが、今回は珍しくグルメの旅となった。
どうやら静岡県にある法多山尊永寺(はったさんそんえいじ)の名物『厄除だんご』がたまらなく美味しいらしい。隣県ということもあり、静岡のことは大体知っていたつもりだが、恥ずかしながら『法多山』も『厄除だんご』も全く知らなかった。
まだ見ぬ法多山名物の味を求め、胸を躍らせながら静岡へ向かった。
昭和レトロ感漂う法多山の路面店
東名袋井ICを降り、30分程度街から外れて山へ向かう。最寄り駅の「愛野駅」からは徒歩30分程歩くらしく、車が無ければアクセスは少し厳しそうな印象。道路は舗装されているが、緩やかな山を登らなくてはいけないので、実際の疲労感は徒歩1時間くらい感じるかもしれない。
そんな立地の為、駐車場は20箇所程度あるらしく、車1000台は駐車出来そうな規模感で少し驚いた。繁忙期だけ解放する駐車場もあるらしく、年末年始などは賑わう事が窺える。今の時期は特に繁忙期という訳ではないので、どこの駐車場も割と空いていた。
法多山尊永寺の駐車場に到着すると、昭和の時代にタイムスリップしたような街並みが広がっていた。
僕は平成2年生まれなので、まだ幼い頃は昭和の名残が残る時代に生まれた為、歩いてるとどこか心地良い。最近では商店街などでしか見かけなくなってしまった、食品サンプルのガラスのショーケースなんかを見かけると、ついついカメラを向けてしまう。
昭和20~30年頃の物と思われる手動式パチンコ。流石にこの時代のことは知らないが、アンティークレトロが好きな人にはたまらないだろう。もちろん僕もシャッターが止まりませんでした(汗)
昭和レトロを肌で感じながら尊永寺に向かう途中、不意にあいつが現れた。
お分かりいただけただろうか…そう「タピオカ」だ。令和のこのご時世に、まだまだブームが衰えないタピオカさんがこんな所でも売られていた。まさに時代錯誤だ。
店名は『ことぶき食堂』。このお店のかき氷のラインナップがなかなか面白い。クリアケースに入ったタピオカ野郎を横目に(僕もタピオカ大好物です)普段あまり見かけない珍しいかき氷の味に惹かれ、ついつい寄ってしまった。
僕は「チョコバナナ味」、相方のツナさんが注文したのは「塩キャラメルフラッペ味」のかき氷。両方とも普段あまり見かけない味なだけに、興味津々に頼んでしまったが、味もボリュームも大満足だった。他にも珍しい味がいくつもあったので、法多山に訪れた際に是非訪れてみても良いかもしれない。
法多山尊永寺
法多山尊永寺とは、静岡県袋井市にある寺院のことで、伝記によるとした725年に建立された歴史ある寺院。江戸時代後期に本堂が火災に見舞われたが、1983年に再建された過去がある。
「ことぶき食堂」を過ぎると、いよいよ法多山尊永寺の入り口が見えてくる。長い歴史を持つ事だけあって、荘厳な門構えだ。
境内の広さと自然豊かさに驚いた。山奥にあるこの神社は自然に囲まれている為、辺りを見回すと緑に囲まれていた。空を見上げると紅葉の葉が青々しく繁っている。紅葉シーズンは盛り上がりそうな場所だ。
少しずつ過ごしやすくなる季節に、心地よさを感じながら、緑の参道を歩く。
まっすぐ進むと本堂へ続く参道。今回のメインは『厄除だんご』だが、せっかくなので本堂にも行ってみる。
なんやこの階段は…本堂も見たい…でもこの後に予定している観光地にも寄りたいし、晩ご飯で予定している浜松餃子も早く食べたいし、色々と都合の良い事を言って、本堂を訪れるのはまた機会にすることにした。うん、また紅葉の時期に来よう。そう、今回の目的はあくまで『厄除だんご』なのである!
法多山名物『厄除だんご』
『厄除だんご』は本堂へ続く階段を登らずとも食べられる。本堂を泣く泣く諦め、メインのだんご屋へ向かう。入り口の仁王門から徒歩10~15分でだんご屋に到着。ようやく目的の物が食べられる。
店内には20人くらいは座れそうな席があり、外にも10~20人くらいは座れそうなテラス席がある。
境内にステージのある神社もなかなか珍しい。ここ法多山尊永寺は『だんごの聖地』と認知されているらしく、例年は『全国だんごまつり』などが開催されているらしい。
また光源の少ないこの地ならではの星見まつり『星満夜(ほしみつよ)』が行われ、満点の夜空の下でステージでライブをやりながら、だんご等の飲食を楽しんだり、「ワークショップ」や「占い横丁」などのイベントが行われるらしい。
めっちゃ楽しそうですよね…次回、本堂に行く文句が出来ました(笑)
食券を買い、ようやくだんご屋へ。1854年から150年以上変わらぬ味で参拝客に愛され続けてきた『厄除だんご』を食す。
美味しくて、気付いたらあっという間に食べ終わっていた。あんこの味は控えめで飽きず、モチモチというよりはしっとりとした食感。一口サイズにちぎって食べれるので、その気になれば幾らでも食べれてしまいそうな団子。うん。普通に美味過ぎる。
余談だが、厄除だんごは生菓子なので日持ちが悪い。お土産で購入するのは、なかなか難易度が高い。また季節によっては「茶だんご」「さくらだんご」「栗だんご」「みたらしだんご」「おだんご屋さんのかき氷」などの限定メニューもあるらしい。
思い描く「団子」とは形状も味も違っていて、団子というよりは、初めて食べる「何か」だった。『だんごの聖地』と呼ばれるだけあって、確かに他の団子とは一味違っていた。ここでしか食べられない、特別な団子だった。
まとめ
隣県のまだ見ぬご当地名物を求めて、静岡県袋井市の山奥まで遥々やってきた。内心どこかで、団子に違いなんてあるのかと思っていたが、食べたら名物たる由縁が理解出来た。これからやってくる紅葉シーズン。ここでしか食べられない厄除だんごを食べながら、季節を感じるのも良いかもしれない。
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