お写ん歩

失われた幻風景。海中電柱撤去後の江川海岸へ行ってみた

江川海岸の記事

皆さんは江川海岸という海岸をご存知だろうか。その幻想的な光景から、数年前に「千と千尋のような景色」や「日本のウユニ塩湖」とSNSで拡散され話題となった木更津市にある海岸だ。

満潮時には電柱が海に浮かんでるように見え、また対岸の工場夜景も美しいことからカメラマンやインスタグラマーには人気のスポットとなっている。素晴らしい風景で僕も何度も訪れた場所なのだけど、どうやら去年の夏にこの海岸のシンボルである海中電柱が撤去されてしまったらしい。信じたくない気持ちを胸に現地へ向かった。

江川海岸までのアクセス

所在地 千葉県木更津市江川(最下部の江川海岸のマップへ
アクセス 自動車:「木更津金田I.C」より約15分
電 車:「巌根駅」から徒歩約45分
営業時間 24時間
駐車場 約30台くらい(無料)

江川海岸までのアクセスは出来るだけ車やバイクをオススメする。何故なら海岸まで小一時間歩かなければならないからだ。若しくは「巌根駅」からはタクシーも出ているので、利用しても良いかもしれない。

何か面白いモノがあれば良いのだけれど、海岸までの連絡通路のようなものなので、殺風景な道を淡々と歩く羽目になるので、出来るだけ徒歩以外をオススメする。

広々とした江川海岸の風景広々とした江川海岸の風景

また余談だけれど、アクアラインから訪れる場合「木更津金田I.C」を降りたところのコンビニを逃してしまうと、海岸方面にはコンビニが無いので、利用する人は先に寄っておいた方が良いかもしれない。

昭和感が残る江川海岸

駐車場へ着き、海岸へ向かう。因みに駐車場は広く、車30台くらいは停められる。
海岸へ向かう途中に漁港があるのだけれど、どこか懐かしい感じがして毎回シャッターを切ってしまう。

昭和感漂う江川海岸の入り口昭和感漂う江川海岸の入り口
江川海岸の漁港江川海岸の漁港
夕暮れ前の船着場夕暮れ前の船着場

夕暮れ時ということも相まって、一層レトロ感も増す。非常に心地よい。
ここの漁港を抜けると潮干狩り場があり、一気に景色がひらける。船着場の雰囲気も良く、波の音に心癒される。この日はお日柄も良く、富士山も見ることができた。

江川海岸から望む富士山江川海岸から望む富士山
船着場を歩く船着場を歩く
江川海岸の船着場江川海岸の船着場

船着場を過ぎるといよいよお待ちかね、海中電柱のある江川海岸に到着だ。

撤去されてしまった海中電柱。失われた江川海岸のシンボル

幻想的な以前の夕刻の江川海岸幻想的な以前の夕刻の江川海岸

ちょうど1年ほど前の2019年1月の江川海岸の風景。この幻想的な風景をフィルムカメラに残したく撮影した。朝焼けを狙い早朝に撮影したのだけれど、この時間帯は干潮だった。
時間が経つと潮が満ち、電柱が海の中に浸かる。まさに「千と千尋の電車のシーン」そのものだった。
さて、現在の江川海岸はどのような風景になっているのだろう。

失われた江川海岸のシンボル失われた江川海岸のシンボル

…綺麗さっぱり全て撤去されてしまっていた。

どうやら2019年9月には撤去されてしまったらしい。塩害の影響などもあり、いずれは撤去されるのは分かっていたけれど、何度も訪れた場所なだけにやはり少し寂しかった。

ここ2年くらい前から安全面を考慮して、海への立ち入り禁止になったが、それ以前は電柱の元へ歩いて行けた。たまにポートレートの撮影をしているカメラマンなんかもいて、非常に良いロケーションだった。できれば補修などして残してほしい気持ちもあったが、これ以上何も言うまい。

そもそも何の為の海中電柱だったのか

1980年代に密漁が頻繁に行われていた事があり、その対策として海の上に監視小屋が設置された。その監視小屋に電気・電話を繋ぐ為に海中電柱も一緒に設置された。

役目を終えた小屋役目を終えた小屋
江川海岸の堤防江川海岸の堤防

少し分かりにくいのだけど、黄色い棒の右側にあるのが海の上にある監視小屋。この小屋で夜な夜な密猟者を見つけては陸上の小屋まで電話して通報していたとか。その為、構造上どうしても海上電柱が必要だったらしい。

しかし、近年の技術の向上などもあり、暗視カメラや無線機器の発達により、2003年には監視小屋の役割を終え、海中電柱も必要無くなった。

海中電柱が撤去されても江川海岸の風景は美しい

やはり不思議な光景だった江川海岸の海中電柱が撤去されてしまったことは素直に残念だ。他の海岸ではなかなか見られない不思議な光景がここには広がっていたので、それが見れなくなってしまったと思うとやりきれない。

しかし、不必要な物は淘汰されていくんだよなぁ…なんてセンチに思ったり。それは仕方のない事だし、環境保全の為でもこれが最善なのだろう。

染まる江川海岸の夕景染まる江川海岸の夕景
錆びが年季を感じさせる錆びが年季を感じさせる
夕焼けとアヒルの親子夕焼けとアヒルの親子

電柱は撤去されてしまったが、ここの夕景は相変わらず美しい。看板や鉄柵も錆びてしまい、網も経年劣化で朽ちてしまっている。だがそんな状態だからこそ、この江川海岸の歴史を感じさせてくれる。

夜の訪れ夜の訪れ
江川海岸で夕景を眺める人々江川海岸で夕景を眺める人々
夕陽に照らされる水門夕陽に照らされる水門

一面が夕陽に照らされていく姿が実に美しい。静かに陽が暮れるのを待つ。
江川海岸は海中電柱が確かに有名だったが、ここから望む工場夜景もカメラマンには人気のスポットだ。

江川海岸から見た工場夜景江川海岸から見た工場夜景

水面に写る光の反射も美しい。ここの海岸は浅瀬の為か、潮が満ちてる時以外は船が少ない。波も穏やかな為このような写真も撮れる。

今でも海中電柱が残っている海岸『久津間海岸』

実は江川海岸以外にもすぐ隣の『久津間海岸』にも海中電柱は残されている。大体江川海岸から徒歩15分くらい。また満潮と干潮で海中電柱の雰囲気もガラっと変わるので、こちらに木更津市の潮位表を掲載しておくので、参考にしてください。

海中電柱が残っている「久津間海岸」海中電柱が残っている「久津間海岸」

江川海岸からでも陸から海へ長く延びる海中電柱を確認することが出来る。因みにその電柱の先にあるのが、先ほど少し触れた監視小屋だ。

一昔前までは、他にも近くに金田海岸という海中電柱のある海岸があったのだが、そちらの電柱も撤去されてしまっている。この久津間海岸の海中電柱もいつまで有るかは分からないので、見るのであれば早めに行くことをオススメしたい。

まとめ

工場夜景と海中電柱が一緒に撮れる江川海岸の風景は貴重だったし、それがもう見れないと思うと非常に悲しい。だけど海中電柱はもう無いけれど、それでもこの海岸で感じる、レトロ感残る昭和の雰囲気や美しい夕景は、変わらず美しいので是非一度足を運んでほしい。

また明日

東京湾アクアラインを使えば、都内からでも1時間以内で到着できる。アクアラインを下りて10分程度の場所にあります。気軽に行けるアクセスの良さがいいですね!

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