カメラのコト

フィルム風レタッチの参考書。「デジタルでフィルムを再現したい」の満足度が高すぎる

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「やっぱりフィルム写真の雰囲気って良いな〜」、フィルム写真を現像してデータを確認するとつい漏れ出す言葉。実際にカメラ仲間の口からも何度も聞いた無意識の言葉。
ただ、時代の流行りもあり、年々高騰するネガフィルムや現像代とランニングコストがかかる事から、フィルムカメラを離脱していく者も多い。僕もその一人で、最近フィルムカメラに触る機会がめっきり減ってしまった。

そんなフィルムに魅了されたものの、コスト問題でリタイアしてしまった方、フィルム調のレタッチに興味のある方におすすめしたい本が出版された。
それが嵐田大志さんの著書『デジタルでフィルムを再現したい』だ。

フィルムカメラを触った事がある人なら、一度は夢見る「ネガフィルムのランニングコストをかけずに、枚数制限もなくフィルム写真を生み出す」という願望をデジタルカメラで限りなく忠実に再現してくれる参考書。ボリュームもあり満足度も高い為、レタッチの作品を載せながら、この本がどんな本なのか紹介していく。

尚、この本はLightroom Classic対応となっている。

  • フィルム風のレタッチに興味のある方
  • 朝・昼・夕などの様々なロケーションでフィルムレタッチをしたい方
  • レタッチ前に仕上がり後のイメージ力を付けたい方

様々なロケーションで「デジタルでフィルムを再現したい」

気持ちの良い程にド直球なタイトルだ。タイトル通りデジタル写真をフィルム風に仕上げる事のみに特化した内容で、天候や時間といった様々なロケーション毎に写真をフィルム風にレタッチできるように膨大なパターンでの作例が掲載されている。

厚さを見て分かるように内容がぎっしり詰まっている厚さを見て分かるように内容がぎっしり詰まっている

レタッチのBefore ・Afterの違いがぱっと見で見比べられるので、仕上がりがイメージし易い。また朝・昼・夕方といった時間毎に分けられているので、自分のレタッチしたい写真と照らし合わせやすくなっている為、本をパラパラめくる必要もなく、非常に使い易かった。

初心者には取っ付きにくい「カラーミキサー」の調整や「色かぶり補正」「明暗別色補正」など,「色の調節」などもレタッチ毎に説明されているので、イメージ通りのカラーリングをすることができる。Amazonにサンプル画像が掲載されているので、気になる方は確認してほしい。

フィルムと一言で言っても捉え方は千差万別。彩度の濃さなども、手作業なのかミニラボなのかで違いが出てくる為、仕上がりはその写真屋さん次第だったりする。ややシアンが強いなどの微々たる違いだが、そんなこそばゆい仕上がりも再現させてくれる。

因みにInstagramで写真アカウントをやっている方なら一度は目にしたことがあるであろう「#デジタルでフィルムを再現したい」のタグを生み出したのも著者の嵐田大志さんだ。

本を参考にレタッチした作例

「デジタルでフィルムを再現したい」になぞりながらレタッチをしてみた。
カメラは「sony a7Ⅲ」レンズは「Super Takumar 55mm F1.8」を使用。
大体こんな感じなんだな〜程度に参考にしてほしい。

野原を分ける一本道

(中央のバーを動かすと【before(加工前)】【after(加工後)】が確認できます)

田舎風景の一本道。奥の木を見てもらうと分かり易いと思うが、全体的に若干青みがけてみた。この燻んだ色合いがフィルムっぽさを感じる。

花は元気に育っている

(中央のバーを動かすと【before(加工前)】【after(加工後)】が確認できます)

道端に健気に咲くナズナ。レタッチ前だと暗く少し冷たい印象だが、手が白とびしないギリギリまでハイキーにしつつ、緑の色も残して全体的に明るい印象にする。

味はエスプレッソ

(中央のバーを動かすと【before(加工前)】【after(加工後)】が確認できます)

ポイ捨てならぬポイ置き。全体的に透明感出るように白は白く、全体的に若干青くしてFUJIFILMのVenus800のような雰囲気にしてみる。

干された傘

(中央のバーを動かすと【before(加工前)】【after(加工後)】が確認できます)

傘の天日干し。全体的に彩度を落として乾燥したような色合いに。beforeで空の色がギリギリ白とびしていなかった為、注意しながら露出を上げていく。

河川敷さんぽ

(中央のバーを動かすと【before(加工前)】【after(加工後)】が確認できます)

のんびり河川敷さんぽ。空の青さと植物の緑で夏らしい爽やかな雰囲気に。ただしお婆ちゃんが差している傘の模様が飛んでいるので、修正の余地あり。

象型滑り台

(中央のバーを動かすと【before(加工前)】【after(加工後)】が確認できます)

滑り台だゾウ。懐かしい雰囲気を出したく、全体的に緑を燻ませて、赤青黄色の主張が強いので、この3色の彩度と色相を調整。どこかレトロな雰囲気に。

記憶の片隅

(中央のバーを動かすと【before(加工前)】【after(加工後)】が確認できます)

記憶の片隅。こちらも上の写真と同様濃い色を調節して、地面が写真の大半を占めているのでそこで色を合わせる。

ザザーっと雰囲気で解説してしまったが、本にどうすればこのような色が出せるかなどが詳細に記されている。
また誰もが憧れる「中判カメラ風」や「ニューカラー風」といったベテランの方々も振り返りそうなレタッチ方法も掲載されている。懐かしさを感じる為にも、この本を手に取るのも良いかもしれない。

まとめ

今回の作例はほんのごくごく一部で、夕方や夜のレタッチ方法なども数多く載っている。
他のレタッチ本と比較する訳ではないが、今まで読んできた本の中でもかなり満足いくモノだった。フィルム風にレタッチがしたい、どうやったらいいか分からないカメラユーザーは即買いしても良い参考書だと思うので、是非おすすめしたい。

著者:嵐田 大志 (アラシダ タイシ)
東京を拠点に、家族写真やスナップなどを中心に撮影。Instagramにてハッシュタグ「# デジタルでフィルムを再現したい」を発案、デジタル写真をフィルム風に編集することをライフワークのひとつとしている。Adobe Stock Premium がモバイル編集アプリVSCO と共同展開する「VSCO Collection」の公式クリエイター。
Instagram taishi_arashida
Twitter @Taishi_Arashida