露出ってなんやねん…よくわからんねん…。という人へ。
自分でも珍しい試みで、写真の話をするのは好きな僕ですが、今日はカメラの構造の話。カメラには幾つかの明るさを調節する機能があり、それらを駆使して「露出」が決まる。今回はその露出の話。
露出補正の意味や仕組み、またカメラ10年目の僕が撮影している時に、露出をどのようにして設定しているかなど、理由と共に解説していこうと思う。
露出とは
「露出」とは「写真の明るさ」を調節する機能のこと。カメラに内蔵されている撮像素子(イメージセンサー)に充てる光の量を調節することで、写真の明るさをコントロールすることができる。
カメラには写真の明るさをコントロールする3つの機能の「絞り(F値)」「シャッタースピード」「ISO感度」があり、これらを駆使して写真の明るさを調節する。
絞り(F値)
絞りとはレンズに内蔵されている羽根を動かすことにより、通過する光の量を調節する機能のこと。被写界深度によるボケの調整もF値の設定で決まる。
シャッタースピード
シャッタースピードとはイメージセンサーに何秒間光を取り入れるか調節する機能。リレーズボタン(撮影ボタン)を押すと、シャッター幕が開くので、その奥にあるイメージセンサーに何秒間光を当てるかで写真の明るさを調節する仕組みとなっている。
1/1000(0.001秒)は超高速でシャッター幕が閉じるので、しっかりと被写体を捉えることができるけれど、1/4(0.25秒)はシャッターが閉じるのが遅いので、被写体の動き(残像)が写ってしまう。
ISO感度
ISO感度とはイメージセンサーに当てた光を増幅させる機能のこと。上2つの機能で取り入れた光を、カメラ内のセンサーの感度を上げて明るさを調節する。しかし感度を上げすぎるとノイズが発生するデメリットもある。
適性露出と標準露出の違い
適性露出…自分で撮りたい明るさに設定する露出こと
標準露出…カメラが自動で正しい明るさにしてくれる露出こと
適性露出とは、カメラ用語的には明るくもなく、暗くもない自然に見える明るさのことだけれど、一般的には「これくらいの明るさで撮影しよう」と自分で決めた露出のことを指す。
またカメラに内蔵されている自動露出機能(AE)によって露出を自動でコントロールし、写真の明るさを適性にすることを標準露出という。
要は撮影する時の明るさを自分で決めるか、カメラのAEによって決めてもらうかの差くらいの認識でOKだと思う。
露出オーバーと露出アンダー
標準露出よりも明るい=露出オーバー(ハイキー)
標準露出よりも暗い=露出アンダー(ローキー)
露出オーバー(ハイキー)
標準露出±0よりもプラスの場合を露出オーバー(ハイキー)という。ハイキーは明るい写真になるので、ふんわりと柔らかい描写となる。ポートレートやペット、花などの撮影などはハイキーな写真で仕上げる。
露出アンダー(ローキー)
標準露出±0よりもマイナスの場合は露出アンダー(ローキー)という。ローキーの場合は暗く落ち着いた描写となる。工場や森林などのような鬱蒼とした場所や古い建物や夕方などの雰囲気を残したかったり、物の質感を伝えたい場合などはローキーで仕上げる。
まぁハイキーやローキーの使い分けに明確な決まりなど無いので、正直どんなシーンで使っても問題ないと個人的に思う。最近ではSNSなどでもハイキーの写真を見る機会が多い気がするので、今の流行は露出オーバーの方なのかもしれない。
上2枚の写真は同じ時間、同じ場所で撮影したモノ。ハイキーとローキーによって、写真の雰囲気はガラッと変わってしまうのは確かだ。そして自分の好みの雰囲気に合わせて撮影するくらいが丁度良いのかもしれない。
カメラの露出の設定はローキーで撮影する
ここまでハイキーやローキーの話をしてきたけれど、撮影する時はどれくらいの露出設定で撮影すれば良いのか。『あくまでも僕の場合』は撮影時のカメラの設定は標準露出よりも-0.3〜-1(ローキー寄り)で撮影するように心掛けている。
標準露出で撮影することが一見正しく思えるのだけれど、それで撮影してしまうと、空や雲だったり、日差しの強い場所が「白とび(写真の一部が白くなってしまう)」してしまう。
デジタルカメラだとはいえ、そこまで精密に光を捉えられる訳ではない。あまりカメラ自体の性能に頼りすぎても良くないということも覚えておくと良いかもしれない。
露出設定が高いと起きてしまう白とびとは
一般的には白とびは失敗写真として考えられている。雰囲気の為、白とびを敢えて作品に取り入れたりする時もあるけど、ややこしくなるので、今回は一般的な認識である白とび=失敗写真として定義して進めていく。
白とびとは露出を上げすぎてしまうことで、発生してしまう現象のこと。カメラの構造上、明るすぎると画像にする時にセンサーが色を捉えきれずに白くなってしまい、白くなった部分の情報は残らなくなってしまう。
白くなってしまった部分の情報が残らないということは、レタッチをしようとした時に白くなったところのデータが残っていないので、白い部分の補正がかけられなく(写真の編集が出来ない)なるということ。
先述の通り、白とびさせないように注意する為に、撮影時はローキー気味で撮影するように心掛けている。
白とびさせない為に、どこに注視して露出の設定を決めるか
撮影し終えて家に帰った後、写真を確認すると「白とびしていた〜(泣)」みたいな経験は誰にもあるはず。
大体白とびしているのは、空か雲か反射する水辺か人の肌らへんだと思う。元々白に近い色は白とびしやすくなるので注意する必要がある。
上の写真に露出アンダーと露出オーバーの写真を並べてみた。アンダーの方が雲の質感が残っている。オーバーの方は明るくなりすぎて雲が白とびしてしまっているので、雲の編集は不可ということになる。
あとは明るいレンズ(F値が小さなレンズ)を使っている時に絞りを小さくして大きくボカそうとしている時、ボケや被写体の立体感などに気を取られて白とびの確認を怠ってしまうこともよくあるので注意が必要。
家に帰ってからガッカリするくらいなら、その場で一度撮った写真を見て確認すると良い。またカメラに内蔵されている機能であるヒストグラムで白とびしている箇所が簡単に分かるので、慣れていない人は活用する事をオススメする。
まとめ
とりあえず今回は露出のお話でした。僕もカメラ始めたての時は、写真の明るさを決める3要素(絞り・シャッタースピード・ISO)の理解に凄く苦しんだのを今でも覚えています(笑)
機会音痴の人(僕のことですが)は読むだけでも頭が痛くなるような、とっつきにくい内容ですが、一度理解できると後は慣れで、マニュアル撮影などができるので撮影が更に楽しくなりますので、この記事で理解を深めて頂けたら幸いです。
コメント