写真のコト

カメラが好きな方は絶対に見てほしい映画『浅田家』

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とにかく僕は言いたい。素晴らしい映画だった。写真好きの人は必ず見て欲しい
先日、現在絶賛上映中である映画『浅田家』を見てきた。

今回、嵐の二宮さんが主演を務めるなど、かなり豪華なキャストとなっており、見事な演技で感情移入する事が出来た。笑いあり、涙ありの内容でカメラをやっていない人でも十分に楽しめる内容となっていた。

カメラを趣味としている僕にとっては、ここ数年でぶっちぎりで満足できた映画作品だった。詳しい内容まで言えないが、大まかな内容と感想を交えてレビューしていきたいと思う。

写真集『浅田家』写真集『浅田家』

映画『浅田家』とは

『浅田家』とは、『浅田政志(以下浅田さん)』という人物が、どのようにして「写真家」になったのか、実話に基づいて描かれた映画。初めてカメラを持った1989年、10歳の浅田さんの幼少期の話から始まり、写真家として活躍している現代へ時系列に沿って物語が進んでいく。

また写真家になるプロセスの中で、どのように「写真家として」成功を収めていったか代表作である写真集『浅田家』『アルバムの力』をどのように生み出したか、また「写真家浅田政志」は写真とどう向き合っているのかなどが描かれている。

その他にも浅田家の家族の絆、幼少期に初めて浅田さんのモデルを務めた、現在の奥さんとの馴れ初めや、東日本大震災の復興に尽力し、『写真』から紡がれていく家族や仲間との絆など、心温まる内容となっている。

また一人の写真家を追って作られた作品ということもあり、映像は非常に美しく、消えてしまいそうな、フィルム写真独特の儚さのようなモノも感じた。

浅田さんがモデルとなった映画という事で、コミカルな内容だと油断していました。ハンカチ無しでは見られない内容となっておりまして…少なくとも上映中3・4箇所は泣きまして…マスクの中がビシャビシャでした(汗)観賞する際はハンカチ持参をオススメします。

ほっこりニヤっとしてしまう、そんな写真集ほっこりニヤっとしてしまう、そんな写真集

写真集『浅田家』とは

映画『浅田家』を観賞する以前、「この写真集面白いよ」と僕のカメラのお師匠様(自分が勝手にそう思っている)に見せて頂いた写真集があった。それが浅田さんの代表作の写真集『浅田家』のだった。

写真集『浅田家』とは、写真家浅田政志を含めた、「4人の家族写真を面白可笑しい姿で撮影し、写真集にしたアルバムのような写真集だった」。初めてその写真集を見た感想は、ヘンテコな写真を撮る人もいるんだな、という感想だった。

この時、僕はまだこの写真集の表面上の部分しか知らなかったし、写真集に印刷されたモノしか見ていなかった。浅田政志という写真家を全く分かっていなかったと思う。

今回の映画を観賞して、写真集「浅田家」「アルバムの力」がどのように生まれたか、想像力が乏しい僕でも理解することが出来た。表面上しか見ていなかった僕でも、裏面(バックボーン)を理解することが出来た。

僕のカメラのお師匠様からの教えで、写真は表面上だけでなく、バックボーン(写真には写らない、目に見えないモノ)を写してこそ、写真の価値が上がるという事を過去に何度か教わった。上映後、その言葉を思い出し痛感した。

シャッターを切るというコト

浅田さんは幼少期の頃から、周りとは少し違った被写体の撮り方があった。
それは『被写体の事が分からないとシャッターが切れないということ』。

上映中にも何度も苦悩し、相手の事を理解しようと様々な工夫をして、被写体の本当の幸せの瞬間を探しながら撮影していた。

カメラマンの数だけ、その撮影方法もあるので、浅田さんの撮影だけが正しいとは言わない。しかし「シャッターを切る」。ここまで深く考えて撮影しているカメラマンは何人いるだろうか。その姿勢から木村伊兵衛賞を受賞した本物の写真家のプロの姿を垣間見ることができる。

「シャッターを切る」。何気なく行っている行動に、そこまでの熱意を込める写真家の姿を見て、心動かされるカメラマンも多いのではないだろうか。

映画を観る前と後では、写真集の見方も変わる映画を観る前と後では、写真集の見方も変わる

家族の絆を繋ぐ写真のチカラ

東日本大震災のボランティアに訪れていた浅田さんは偶然、一人の青年に出会う。その青年は震災によって泥だらけになった、出元不明の写真を集めて洗い、それを持ち主の家族に返すボランティアをしていた。

浅田さんもそのボランティアに加わり、次第に人も集まるようになってくるが、家も写真も流されて、亡くなった家族の遺影にする写真も見つからない。

そこには、身元の分からない家族の写真を探している被災者や、亡くなった家族の遺影となる写真を探している被災者の様子が描かれており、そんな被災地の方々の為にも、浅田さん達が奔走している姿が描かれていた。

その中で、自分の家族の写真を一心に探し、見つけ出した時には、被災者の方々と写真から、確かに『家族の絆を繋ぐ写真のチカラ』を感じた。

この『家族の絆を繋げる』は浅田家の絆にも通ずるモノを感じた。また最終的には、浅田さんが家族写真を撮影する理由(シャッターを切る理由)と同意なのかなと個人的に感じた。写真によって、人と人を結ぶ絆を見て、改めて写真て良いなと思える内容となっていた。

絆の想いがこの一冊に集約されている、そんな気がしてならない絆の想いがこの一冊に集約されている、そんな気がしてならない

まとめ

今回はカメラマン目線の内容で執筆してしまったが、ワルシャワ国際映画祭で『最優秀アジア賞』を受賞するなどの功績を鑑みても、やはり誰が観ても良い映画なんだなと改めて思った。「写真」とは何なのか、「撮る」とは何なのか、色んなことを考えさせられる内容だった。心の底から、なるべく多くの人に観てもらいたい、そんな風に思える美しい映画だった。